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地元近く、静岡県伊豆の国市で起きた事件が世間を騒がせている。ニュースで何度も繰り返し報道されている、例の「女子高生母親毒殺未遂事件」だ。

テレビを眺めていて「静岡県伊豆の国市」というテロップでまず驚き、次いで「女子高生が母親を毒殺未遂」というのでまた驚いた。静岡県で凶悪犯罪や大事件というのは、なんだかかなり似合わないと個人的には思っていたから、その驚きといったら、コップに注いでいた牛乳を溢れさせてしまったくらいだ。

「女子高生で毒殺未遂とは、やるなあ」と、完全に第三者視点でニュースを観ていた。自分に関係がないという前提があるとして、普通に考えればこれは凄いことだ。言うなれば「走り幅跳びで9m飛びました」みたいなもの。普通ではない。もちろん良い意味で。当然皮肉でもない。そうした特化した人間がいるということは、それだけですばらしいことだと思う。

興味が湧き、そのままテレビを眺める。真面目な子で――などと、まさに典型的な受け答えをする生徒に、「これはまたいじめが関係してるのか?」と思ったらまさにその通りで、いきなり気分が悪くなった。

内向的な娘だったようだ。そしてそれが故に「いじめ」を受けたか。まったく嫌になる。「みんな(自分の信じる『みんな像』)と違う」というだけでいじめを受けるんじゃ、堪ったもんじゃない。と言うより、それだけを理由にして激しく攻撃を加える「いじめる側」の精神が歪んでいる。これを辿ると、きっと親に行き着くのだろう。

人は簡単に歪む。事件を起こした少女も、歪みさえしなければ良い科学者になったろう。実にもったいない。しかし悲しいかな、もったいないほど突出した何かを持った人間というのは、今の社会では排斥されるのが常。出る杭は打たれすぎて杭でなくなる。徹底的だ。それが社会的に保護されない限り、打たれることは終わらない。終わらないから逃げる。逃げるということは、歪むということだ。歪んで道を踏み外す。それしか自分が保てないから。悲しい話だ。

ニュースを観ていて気になったのは、その女子高生がまるで「狂人」のように扱われていたということ。大の大人たちが寄って集って「理解できない」「常軌を逸する」などとコメントしているのを観て吐き気がした。問題にするべきはそこではなくて、「何故彼女がそのような行動に及んだか」だろう。「何故彼女がそのような行動に『及ばざるを得なかったか』」だろう。彼女を『被害者』として扱っている番組は、実際あったのかもしれないが、今の所まだ見られていない。

少女は母親とは仲が良かったとの話だ。いじめを受けていたとして、それでもきちんと女子高生になるまで生きていた、ということは、家庭の中で何かしらの救いがあったからだと思う。家族の中で、母親はやはり特別な存在だ。彼女は母親と一緒に、笑顔で買い物に出かけていた、とも聞く。彼女の心の拠り所のひとつであったのではないか。ならそれを自ら壊すという、その精神はどんなものか。

「お前はみんなと違う」ということを意識させられた時、それを「そうですね」と軽く受け止められない場合、「私はみんなと違う」ということをまずは盾に取る。「みんなと違う」ということをアドヴァンテージとして用い、他を威嚇することで自分を保つ。だけどそれは結局見苦しい嫌味みたいなもので、益々排斥される。その状況で自分を保つには、更に自分を違う所に置き、「自分はみんなと違う」と思い込むことだ。またはリストカットなどで心の隙間と体との差異を埋めること。彼女は前者だったのだろう。

思い込むだけで人は生きていけるが、それでも辛いものは辛い。それを救ってくれるほど、母親は優しかったのではないか。優しい母親。しかしそれでも足りなかったのだろう。

「違う」「違う」と思うことに、終わりはないはずだ。最後には目的と手段までが入れ替わり、自己陶酔にまで行くはず。そうなればもう止められない。自分が自分であるために、異常であることを正常としなければ立ち行かない。異常が正常。正常は意識されない。つまり単なる狂人へと変貌する――本人が望む望まぬに関わらず。

何が言いたいのかというと。リスカとかよくしてる人間を、(恐らく)普通の人より多く見てきた自分としては、この事件は行き過ぎたリストカットだと感じた。自分を保つためにやったことのように思えたのだ。そしてたぶん、母親は、自分が娘に殺されようとしていることをわかっていたのではないかと思う。それでも娘のために、そしてそれを信じたくない自分のために、周囲を騙し、自分を騙していたのではないかな、と。

だとするならば、とても悲しい話。

ニュースを眺めながら、そんなことばかりを考えていた。


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